犬の喩え話。

先日、海月光さんのネットラジオにお呼ばれした際
「自分を動物にたとえると何ですか？」
というご質問を頂いた。

少し考えて
「猫になりたいけど、なれない犬です。」
と答えた。

私は、基本的に嘘吐きな生き物なんである。
それは誰にも責められないように物事を運ぶためであったり
誰にも攻撃されないようにするためであったり
悲しくなりたくないから、怒られたくないから、等。
嘘を吐く理由はケースバイケースというやつであり、簡潔に纏めると
「人間関係に波風を立てず、さらに自分を守るため」
なんであった。
ごまかす、ということに近くもある、嘘。
善人でない自分をごまかすための嘘。

人間には気分というものがあるけども、私はおそらく気分屋なんである。
きまぐれの上をゆく、気分屋。
今朝考えていたことが夕方には180度変わっていることも、珍しくない。
無責任だ。
心がわりやその展開の速さに自分でも困ってしまうほどの、気分屋である。

ただ音楽に関してだけは無責任になりたくは、ないのである。
せめて音楽の中でだけは、誠実で居たいと思っている。
切実だ。
だから、もっと誠実になる努力をしなくてはいけない。そして誠実であらねばいけない。
そう在りたいが故、そういう制約を設けることにした。

誠実でも正直でもない、ただの無責任な嘘吐きだ。

本当に本当に、私は猫になりたかった。
枠にはまりたがる、世間で喩えられる犬のような自分をひたすら嫌いながら、過ごして来た。

何をどうしても猫にはなれないのだと気付き、
最近は、犬は犬でいいんじゃないかと思っている。

の前に、私はヒトなんである。そして小心者なんである。
ブログを書き足すたび、誰かに何か言葉をかけるたび、いわゆる主張を公におっぴろげるたび、
誰にも見せる必要のない恥を垂れ流しているように思えて、もやもやとした気持ちになるけども
見ない振りをして逃げたら、音楽を続けている限りは不誠実になる。

軽い自己嫌悪を感じながら、音楽を続ける所存。
エンターテイナーである前に、シンガーソングライターだから、なんである。